2023年9月10日日曜日

研究情報の保管

 所属する大学の規定の定年退職が来年の3月に来る.それ前にして,役職の大学全体の運営業務をこなしながら,自分の関係だけでなく先々代,先代の研究資料まで整理する必要がある.過去には研究室という蛸壺が本当に関係者の倉庫化していたことが多かったが,20年前に桂キャンパスへの移転を機に整理がなされた.かなり抵抗して吉田のスペースの一部を確保し続ける人たちが多くおられたが,我々はそうしなかった.しかし,年齢が上の先生方は未だにそれ以前の意識から抜けられず,個人の思いまで大学が管理すべきだという思いをお持ちでもある.一方で,卒論や修論の原本の多くは,それらの先生方の私物化で紛失している.これが実態である.今年から紙の論文は電子ファイルとして保存することが決まったが,この互換性を保っていくことにどれほど意識されているのかは疑問である.既に自宅に持ち帰った研究資料の物理的媒体からデータを読み込む手段が無くなったものも多い.読めてもファイル形式の問題で読めないものも多い.それでもこの方式を持ち込んだ以上だれかが管理する必要があるが,一番重要なことを放置していないだろうか.

 

            寺という環境にあってこその樹齢500年